ピアッシング直後の耳が腫れてくることや、安定していたホールが急に腫れてしまうことはよくあることです。気になりますが、触ったり耳を折り曲げたりしてはいけません。
市販のピアッサーは手に入りやすく手軽ですが、無理矢理勢いで穴を開けているため、特に軟骨ピアスは腫れを起こしやすいです。軽い腫れや膿みならセルフケアで治すことができます。
今回はピアスホールが腫れてしまう理由と対処法についてわかりやすく解説していきます。
ピアスが腫れる原因と対処法
ピアスを開けた後に耳が腫れたというとき、「放っておいても治るのか?」「どうすればいいのか?」不安になりますよね。
対処法としては、毎日の洗浄で清潔にする・日常生活でできるだけ触らないのが基本です。
セルフケアの方法については「ピアスホールの腫れの治し方」の見出しで詳しく説明します。
ピアスが急に腫れた・風邪をひいたら腫れた
引っ掛けたりしていないのに「急にピアスホールが腫れて痛くなってきた」ということがたまにあります。体調不良のときは体の免疫力が下がっているため、ピアスホールも一緒に腫れたり痛みを感じることが多いです。
また、「風邪はひいていないけど・・・」と思う人でも、体が疲れているときは風邪を引きやすかったりするのと同じで、ピアスホールも細菌感染しやすい状態になるため、腫れやすい状況です。
ピアスが腫れやすいとき
- 寝不足のとき
- ストレスが多いとき
- 体が冷えているとき
急にピアスが腫れたときは、体の疲れからきているかもしれません。ゆっくりお風呂に浸かったりしっかり睡眠を摂るように心がけてください。
風邪の時に処方される抗生物質の飲み薬を飲みながらピアスホールも改善してくる可能性があるため、ホットソークなどをしながら体調と共に様子見をしてもいいでしょう。また、風邪薬に腫れを治す効果はありませんが、軽い腫れや痛みなら体調が回復するといつの間にか治っていることも多いです。
ファーストピアスを外したら腫れた
ピアスを替えるときにファーストピアスを外した衝撃やホールの内側を傷つけることで腫れてくるケースがあります。触ると痛む・滲出液(黄色いリンパ液)が出る・内側が皮膚になっていないときはまだ安定していないサインなので、基本的にファーストピアスを付けっぱなしにしてください。
力づくでファーストピアスを外そうとすると反動でピアスホールを傷つける可能性があるため、ペンチでキャッチを破壊してからゆっくり外すのがおすすめです。100円ショップやハサミでも代用できます。鏡を見ながらゆっくりとキャッチの両側を押し広げるようにして外してください。
ピアスを付け替えたら腫れた・かゆい
安定してきたと思っていたのにピアスを付け替えたら腫れてきたことがあります。考えられる原因は以下の通りです。
考えられる原因
- ピアスの素材が合っていない
- 付け替える時に内側を傷つけた
- 傷口からバイ菌が入った
ピアスホールの腫れや膿みでかゆみを感じることがありますが、かゆみ=金属アレルギーとは限りません。ただし、ある日突然金属アレルギーを発症する可能性もあるので、未完成のピアスホールに素材不明のピアスをつけておくのは危険です。
腫れているときはできるだけ触らずピアスの付け替えも控えた方が良いですが、素材が合わない場合や付け替えたピアスのシャフトが短く負担になっている場合ははやめに違うピアスに替えてください。
ピアスを引っ掛けたら腫れた
順調に安定していたホールも、つい引っ掛けてしまうことで腫れや滲出液(しんしゅつえき)が出始めることがあります。黄色っぽい滲出液が出るとピアスホールのまわりにパリパリと固まって気になるものです。
気になりますが、無理に剥がしたり触ってしまうのは良くありません。できるだけ触らずにお風呂の際に丁寧に洗浄し、引っ掛けないよう気をつけて様子を見ましょう。
ピアスホールから出る黄色っぽい汁は滲出液であり、ピアスホールがぶよぶよしたりかさつきがある状態で中から膿みが出てくるようなら化膿してきている状態だと考えられます。
ピアスを開けたら顔が腫れた・喉が腫れた
トラガスや耳の内側に近い部分のピアッシングでは、ピアスホールの腫れに伴って喉や顔が一緒に腫れることがあります。
できるだけ触らない・清潔にするを基本にして、耳の腫れに関してはホットソークで様子見しても良いでしょう。ただし、扁桃腺や顔まで細菌感染している可能性がある場合は、そのまま放置すると熱が出る恐れもあるのではやめに病院を受診しましょう。
軽い喉の腫れに対しては喉スプレーやトローチなどの市販薬もありますが、顔まで腫れているようであれば早めに医師から抗菌薬などを処方してもらうのがよいでしょう。
ピアスホールの腫れの治し方
ピアスホールが腫れたときの具体的な対処法をご紹介します。
ピアスホールを冷やす・鎮痛剤で応急処置
ピアスが腫れて痛いときは保冷剤で冷やすと痛みが和らぎます。冷やすことで炎症を多少抑える効果も期待できます。
また、ピアスの腫れや痛みに伴う頭痛には、バファリンやロキソニンなどの市販の鎮痛剤も応急処置として有効です。ピアス拡張時にもおすすめです。
鎮痛剤は飲むと一時的に痛みは和らぎますが、根本的な原因解決にはならないのであくまで応急処置だと認識しておきましょう。ピアスを開けたばかりの腫れは時間の経過とともに落ち着いてくるはずなので、少し様子を見てみてください。
腫れと痛みがひどいときはピアスを外すのも選択肢
腫れがひどい・化膿している場合は、思い切ってピアスを外すのも一つの選択肢です。
異物になっていたピアスがなくなることで、外した瞬間から痛みがだいぶ楽になり、数日で少しずつ炎症も治まってきます。「セルフケアで治りそうにないけど、でも病院は行きたくない」という人も、一旦ピアスを塞いで完治してから開け直す方が早いこともあります。
私自身もセルフケアで治したピアスと、面倒になって塞いで開け直したピアスの両方を経験しています。
ピアスが埋まりそうなほど腫れているときは、後ろにキャッチがついているタイプのピアスはおすすめできません。できればシャフトに余裕のあるボディピアスに付け替えた方が埋まるリスクが少ないです。
できるだけ触らない・毎日の洗浄が基本
繰り返しになりますが、できるだけ触らない・毎日の洗浄で清潔に保つことが大切です。洗浄にはお風呂用の固形石鹸などで問題ありません。
毎日の洗浄方法
お風呂に入るときに、石鹸をピアスホールに乗せて優しく洗ってからシャワーで流します。できればピアスを前後に動かしながら汚れを落としてください。
お風呂から上がったあとはタオルやティッシュで水気をとって、触らないように気をつけて過ごしてください。
市販の軟膏を使ったケア
ピアスホールが腫れたときは、洗浄とホットソークだけでも十分治る可能性はあります。しかし、腫れて膿んできている・肉芽ができている場合には、市販の軟膏を試してみる価値があります。
ピアスにおすすめな軟膏としてよく名前が挙がるのは、ドルマイシン軟膏・フルコートf・ベトネベート軟膏ASなどが有名です。
家庭にあることが多いオロナイン軟膏は、切り傷などの浅い傷や肌荒れの殺菌に効果はありますが、化膿や肉芽治療の効果はありません。
数日試して効果がみられない・悪化する場合は、病院で抗生物質の飲み薬や化膿止めの薬を処方してもらって治療するのがよいでしょう。
天然塩を使ったホットソーク
天然塩を使ったホットソークは、ピアスをする人の間で有名な民間療法です。
塩の殺菌効果で炎症を抑え、塩を入れることで体液に近い状態にして皮膚の新陳代謝を高める方法です。軽い腫れや膿みはホットソークで少しずつ腫れが引いてくることが多いため、まずはホットソークを試してみるのがおすすめです。
用意するもの
- 天然塩
- マグカップ程度の器
- 体温より高めのお湯(38度〜40度くらい)
ホットソークのやり方
- 小さめの器に天然塩(粗塩)を大さじ1〜2杯入れてお湯でよく溶かす
- そのまま顔を横にして耳ごと10分くらい浸しておく
- 終わったら綺麗に洗い流して水気を拭き取る
1日1〜2回のケアを目安に、1週間程度続けてみてください。
塩は「天然塩」や「粗塩」と表記のあるものを選んでください。塩の分量はしょっぱいと感じるくらいですが、濃すぎると肌荒れする可能性もあるので様子を見ながら調整しましょう。
肉芽ができてしまっているときは、ホットソークと似た「クエン酸療法」というものがあります。肉芽とクエン酸療法については以下の記事で詳しく書いているので参考にしてみてください。
ピアスホールが安定するまで気をつけた方が良いこと
ピアスホールが安定するまで、できるだけ腫れさせないために以下のことに注意しましょう。
ピアスが安定していない時のカラーやパーマ
安定していないピアスホールにカラー剤やパーマ液が入ると確実にトラブルに繋がります。
美容院では耳に液が付かないよう耳カバーをしてくれますが、それでもクシやハサミが当たって痛い思いをした上にピアスホールが腫れたという経験もあります。
ピアスを開けた直後の極端に暑い場所・寒い場所に注意
金属製のピアスを付けている場合、サウナなどの極端に暑い場所や逆に寒い場所では、熱伝導によりピアスの温度で火傷や凍傷の可能性があります。
ピアスを開けたばかりの人は外したり付け替えができないため、特に気をつけましょう。また、腫れがあるときは血行が良くなると痛みを感じやすくなりますし、寒すぎる場所では霜焼けのようになってしまう恐れもあります。
また、サウナに限らず暑い季節にピアスを開けると汗などで不衛生になりがちで化膿しやすいと言われています。
春夏秋冬いつ開けても治りやすさに大きな違いは感じませんが、腫れが心配な人は参考までに夏を避けるのもよいかもしれません。